寒い季節に増える受講生の悩み

冷たい風が吹き始めると受講生から必ず出てくるのが「顔の皮膚がめくれてきて困るんですー」というお悩みの声。以前は20年以上愛用してきた美容液を薦めていたのですが、いかんせん40ml(大さじ2と2/3)で定価1万円以上とめちゃ高い。良いと思っても使い続けるのは大変かもという気持ちはあり、ずっと保湿に関してはいろいろ調べ、体験し、周囲の声も集めていたのですが、この1年でやっと、コスパ的にも効果的にもおすすめ出来るなと自信が持てたのが「白色ワセリン」。

自信が持てた大きな理由というのは、私が長年悩んでいた「小鼻の皮膚めくれ」が落ち着いたからなんです。

子供の頃から悩み続けた肌トラブル

この小鼻の皮膚めくれ、話は中学生から始まります。思春期になり、鏡で自分の顔をよく見るようになった時、小鼻の皮膚がペリペリしてて実に汚いのに気づきました。あまりにひどいので、その皮膚をこすり取るように洗ってみたのですが、1時間もしないうちに皮膚はめくりあがり元の状態に。

そのまま時は経ち、化粧品を買うお年頃になった頃、カウンターで美容部員さんに「何かお悩みがありますか?」と尋ねられるたびに「この小鼻のめくれが気になります」と言ってました。が、それに対する美容部員さんの答えは、人が変わっても必ず同じ。「それは洗顔不足です」。プロの言うことだからと更に一生懸命洗うものの、一向に治る気配はありませんでした。

プロになって、やっと気づいたこと

そんなこんなで数十年経ち、メイクの仕事をするようになり、様々な人のアドバイスを続けるうちに、「ひょっとして、私のこの小鼻のペリペリは、洗いすぎで乾燥してるからじゃないのか?」と思い立ちました。そこで、洗うよりも化粧水による保湿に力を入れるようにしたら、小鼻の皮膚めくれがかなり落ち着いていったのです。なんてことでしょう。ずっとプロのアドバイスと思って、一生懸命洗っていたのに、それが全く違っていたとは。

ただ、それでも、小鼻の際はいつも少しめくれていたため、解決策を求めてあらゆる保湿化粧品を試していたのですが、満足する結果にはなかなか至りませんでした。

更に年を重ねて悩みは増える

枯れるお年頃になってきたここ数年、冬になると右親指にひびが入ることが増えてきました。

私の右親指はいわゆる「まむし指」というもので、爪が横長で爪の角が肉に食い込んでおり、その辺りの皮膚が割れやすいんです(左は普通の形なので、ひびが入ることがない)。特に冬はお湯で乾燥するのはわかっているものの、つい洗いものをする時などにお湯を使ってしまい、乾燥でひび割れすることが続いていました。それで、軟膏もいろいろ試してみたのですが、なかなか納得する結果が得られません。

そんなこんなで試行錯誤していた時に、「そういえばワセリンって保湿にいいんだよな」と思いだして使ってみたら、その冬、久しぶりに指の皮膚が割れずに済んだのです。

そして、ワセリンにはまる

「保湿用にワセリンを使うといい」というのは、宇津木 龍一著「ミクロのスキンケア」を読んだときにわかって(2003年発行なので、もう10年以上前ですね)、「そうか!」と思ってすぐ試してみたものの、当時はうまく使いこなせず、「ベタつくのがイヤ」ということで即座にやめてしまっていたのです。しかし、指のひび割れを通して保湿効果を痛感した私は、「もう一度頑張って顔にも使ってみるかー」という気持ちになり、コットンパックの後、ワセリンを顔につけて寝てみることにしました。

そして翌朝、メイクするために鏡を見たら、ん?あれ?あれれ?小鼻の際がつるっとしてるぞ、えー、皮膚がめくれてないじゃん!と、めちゃパニック(笑)。実はそれほどワセリンに期待をしていたわけではなかったので、即座にそれがワセリンの効果だとは思えなかったのです。しかし、どう考えてもワセリン以外に考えられない。けど、ホントに?(疑り深い)と思って、その日の夜もワセリンを顔につけて寝てみました。翌朝、やはり、小鼻の際にペリペリは見られません。ここでやっと「こいつは本当にすごいのかも」と思い始めたのです。

そうなると俄然興味がわいてきて、ワセリンって何?ワセリンって何に使われているの?ワセリンの保湿能力ってどうなってるの?といろいろ調べていきました。

受講生の悩み解決にむけて

よくワセリンでの油やけを気にする方がいらっしゃいますが、それは昔の話。今は純度の高い「白色ワセリン」というものが、手軽に入手できます。これは紫外線の影響も受けにくく、他の物質とほとんど反応することがなく、化学的に安定しています。体内に入っても吸収されることもなく、便として排出されると言われます。それに、純度が高い商品でも50gで1,000円程度と、かつて使っていた美容液の1/10以下のお値段。オサイフに優しく、ごく少量で顔全体に使えるので、非常にコスパに優れた製品と思っています。

また、一口にワセリンといってもいくつかの種類があるため、純度の違う商品を購入し、様々な用途として使ってみました。その結果、保湿用基礎化粧品としてだけでなく、メイク落としのアイテムとしての使いがあることもわかりました。自然派の方が愛用するオリーブオイルは酸化しやすいのですが、化学的に安定している点では、ワセリンの方が安心かな?と個人的には思っています。

ある程度調べたところで、自分の中で「これは」と思う製品を確定していったのですが、昔「ベタつくのがイヤ」と止めてしまったように、使い方にちょっとしたコツがあるなというのも実感したので、11月12月の空いた時間に、実習を取り入れた講座を開催することにしたのです。今回は3種類の違うワセリンを使って、質感の違いを実感していただくと共に、メイク落としの体験もしていただきました。

どこまで私の「いいぞ」の気持ちが伝わったのかはわからないのですが、少しでもみなさんのお肌にとって、良い効果が得られることを願っています。